● Adox社CEO ミルコ・ボエデッカー氏インタビュー
私たちは、2014年4月上旬、Adox社を経営するMirko Boeddecker(ミルコ・ボエデッカー)氏にメールによるインタビューを行い、今後の展望などについて伺いました。
1. 運営されているアドックス社について簡単にご説明ください。
私がこのアドックスを始めたのは、Efkeフィルムをもとの名前(Adox)に戻したかったからです。 (編者注:元々のAdox社は1962年、DuPont社に売却され、その後、新しいオーナーは、Fotokemika/Efkeにフィルム技術のライセンスを与えました。彼はそれをAdoxに取り戻したかったのです)。 それから時が経ちAgfaが倒産し、私たちはいくつかのAgfa製品をリメイクすることを始めました。 Adox は Agfa とよく似た名前です。同じ"A" で始まり、同じ4文字構成です。 それはまた伝統的なドイツ企業でもあり、ロゴのカラーもマッチしています。 将来的にはもちろん、独立企業として、より知名度を上げたいと思っています。
2.Adoxの得意分野は何ですか?特に誇りを持っている製品は何でしょうか?
もちろん、Polywarmton(ポリウォームトーン)です。私たちが最初に完全に自社製造した乳剤です。また、それはいまだ最も刺激的なプロジェクトであります。 (編者注:Adoxは、Forteの素晴しいPolywarmton ペーパーの復活のために、数年前より動いています)
3.今後、私たちは、Adoxのどのような製品を楽しみにすることができるでしょうか?
今、私たちはすべての製品を提供していませんが、コストをカバーした製品を製造したいと思っています。
おそらく ―
ポリウォームトーンの後には― 完全に自社製造の最初のフィルムができるでしょう。
その前にカラーインプローションシリーズの関連製品ができると思います。
4.ダイレクトにリスプリントを行えるペーパーは、もはやほとんどありません。Adoxは、リスプリントに良好なペーパーを提供する予定がありますか?
誰もそれに答えることはできません。競合メーカーはしばしばペーパーのリス能力を非常に楽観的に伝えています。
誰も、何がリスプリントに向く紙を作るのかを知りません、そして最も大きな部分は、単純な幸運なのです。
しかし、私たちはPolywarmton が、リス・ペーパーに向いているかもしれないというヒントを得ています。
5.ビギナーにお勧めできるフィルムと現像液の組み合わせは何でしょうか?個人的な好みも教えてください。
私はクラシックフィルム(T-グレインではない)と均一現像液をおすすめします。
たとえば、Silvermax フィルム とSilvermax 現像液。あるいはCHS 100 IIフィルム と FX-39現像液 もしくは Atomal現像液です。
私はSilvermaxフィルムをAtomal現像液で25年来使用しています。
(編者注:Silvermaxは25年も古くありません。しかしSilvermaxは、Agfa APX 100に非常によく似ていて、より多くの銀量があります。Boeddecker氏はAPX 100の販売をストップした後、よく似たAdox Silvermaxの販売を始めたと話しました)
6.アナログ写真の未来をどのようにとらえていますか?
アナログ現像薬品の化学的イメージは、見る人にとって非常に独自の魅力を持っています。暗室でのプロセスは”魔法のよう”です。
写真をクリエイトする、この職人の道を好きな人は、常に存在します。
私たちの小さな製造の向こうにあるアナログの世界は巨大です。それは私たちにとって、エキサイティングな市場です。
コダックやフジが将来関わるかどうか、それはまた別の話です。
7.今後10年、どのような方向にAdoxを発展させたいと思っていますか?
Adoxは、少量でフルレンジの生産を、
高品質を守りながらドイツ製で行いたいと思っています。
しかし、実現には多くの課題があります。特に、消費者は価格に対して非常に批評的な認識を持っていますので。
10年以内に、私たちは完全に独立して、全てのフォーマットで、少なくとももう2つの白黒フィルムと2つの印画紙を製造したいです。
8. 所有されている個人的にお気に入りのカメラを教えてください。
1998年から持っているライカM6 と マミヤ7です。
私が”シートrollfim” を発明するまでは、私のGraflex 4x5は、悲しげにホコリを収集していました(笑)。
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