● 希釈と混合について~1+4 と1:4の違い

現像薬品の濃縮液を混合する際、私達は通常、ラベル記載の希釈/混合指示に従います。

通常、そこには " + " もしくは " : " で分けられている2つの数字が示されています。
これらの数字は同じ意味ではありません。
希釈 1+4 と 1:4 では異なる意味を持ちます。
今日では " + " の表記が一般的です。ですから、こちらからはじめましょう。

1+4 は、作業溶液を「5つのパートに分ける」ことを意味します。
すなはち、1 パートの濃縮液と4 パートの水を混合する、ということです。

例をあげましょう。
希釈1+4 で300ml 作業溶液を作りたいとします。
まず300を5で割ります。結果は60です。
そこで60ml (1 x 60) の濃縮液、そこに240ml (4 x 60) の水を加えます。
すなはち、1パートの濃縮液と4パートの水とを混合する = 1 + 4 ということです。


次は " : " の番です

1:4 は、作業溶液を「4つのパーツに分けたうちの1/4番目が濃縮液」を意味します。
同じく例をあげましょう。
希釈1:4 で300ml 作業溶液を作りたいとします。
300を4で割ります。結果は75です。
そこで75ml の濃縮液を用意し、そこにミキシングジャグで225ml の水を注ぎいれます。
すなはち、作業溶液の1/4は濃縮液からなることを表す = 希釈率1:4 ということです。

もしくは、こんなふうに考えてもいいでしょう―ミキシングジャグの中に濃縮液1パート分を入れ、4パート目まで水を埋めると。

要するに、1+4 と1:5 は同じことです。

また、1:1は、「希釈されていない濃縮液を使用」の意味だということも覚えておくと良いでしょう。
では、1パートの濃縮液を1パートの水と混合する場合は、どのように表されるか、、?

もうお分かりですね?
1+1 あるいは1:2 で表されます。

このように、希釈の解釈には2通りあり、「希釈比」と「希釈係数」と呼ばれています。

米国では、「1:1」は、Aの1パートとBの1パートとを混合することを意味しています(希釈比)。

一方で、「1:1」は、Aの1パートを混合して1まで満たすことも意味します。
「:」の前の「1」はパートAの量を、「:」の後ろの「1」は、最終量(希釈係数)を意味します(希釈係数)。
ですからこの場合、「1:1」の希釈係数は実際には希釈されていません(Aの1パートを使用して1まで満たす)。

科学では通常、こちらの希釈係数のみが用いられます。

ドイツでは、「1:1」表記は常に希釈係数であり、米国の希釈倍率は、ドイツでは(おそらく世界の残りの国も)「1 + 1」と表記されます。
当方では混乱を避けるために、常に、Silversalt のサイト上やワークショップでは「A + B」の表記を使用しています。

ご注意ください : 一部のメーカーは、実際に「1+1」を意味する場合でも「1:1」とボトルに表示しています。

また、「1:50」のような高希釈の際には、1:50(300mlの作業溶液に対して6mlの濃縮液)であっても、1+50(300mlの作業溶液に対して5.9mlの濃縮液)であっても、写真化学における計算では誤差の範囲内となりますので、それほど違いを気にする必要はありません。

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