● なぜデータシートは重要なのか?~現像液ごとの正しいフィルム感度を知ることの重要性

私達は、現像液やフィルムのデータシートを各製品ページからダウンロードできるよう、pdfファイルをご提供していますが、 データシートについて全く気に留めないか、あるいはどのように読めばよいのかわからないという方が本当に多いことを知りました。

ですから、ここでは、なぜデータシートが重要なのかについて述べようと思いま す。
簡単に言えばこうです―データシートは、あなたがどの感度でフィルムを撮影するべきなのか、またそれをどのように現像するのが良いのかということ に関して、”よい推察を与えてくれるもの” だということです。

そのデータは完璧なものでしょうか?

いいえ、必ずしもそうではありません。
シュプールのようないくつかのメーカーは、彼らの現像液でフィルムをテストした後に見出した、非常に詳細で信頼度の高いデータを提供しています。
しかし、(実際にほとんどの)他のメーカーでは、フィルム外箱に記載されている公称感度(ほとんどの場合、本当の感度ではないことが多い)を使用 しており、全面的なテストは行われていないのが常です。

ではどうやって完璧なパラメータを見つけたら良いのでしょうか?

メーカーが提示している現像時間はあくまで提示であって、それは、あなた自身のベストパラメータを見つけるためのスタートポイントにすぎませ ん。
そして多くの個人差があります。私達が現像液と混合する水はそれぞれ違うでしょうし、使用する温度計もまた異なります。また、攪拌のスタイルもある人はゆっくり、ある人は早めなど、現像スタイルは人によってまちまちです。
使用の現像液における本当のフィルム感度を見つけるための方法については、詳しい説明をこちらに載せています。是非お読みください。

なぜ、公称感度(箱記載の感度)は本当の感度でないことが多い?

異なる現像液のタイプごとに、フィルム感度に強い影響を持つからです。
例えば、殆どの微粒子、超微粒子現像液は、最良の結果を得るためにフィルムにより多くの露出(=より多くの光、より低感度)を必要とします。
また、これに関してはマーケティングが大きな部分を占めています。
高感度フィルムを探している人にとっては"ASA 400"は、"ASA 250"よりも聞こえが良いというのがそれです。

これらすべてをどうやって扱うか?・・・ややこしそうな感じがします。

そのためには、あなたが何を望むのかを最初にはっきりさせておくことです。
撮影を開始する前に、どのような結果を望み、達成させたいのかを知っている必要があります。

あなたが35mmフィルムでポートレートを撮影する際に、大きな粒子と強いコントラストを生成する現像液とフィルムを使用すれば、非常によくない見栄えとなる可能性があります。
あなたは微粒子現像液と、この現像液に微粒子とスムースなコントラストを与えるフィルムを選びたいかもしれませ ん。
あるいはあなたは、顔に過酷なコントラストのある非常に粗いポートレートを得たい、といったような逆の効果が欲しいかもしれません。

このように、あなたが望む結果によって、あなたのフィルムと現像液の選択はまた違ったものになってきます。

もう少し個人的な例で説明しましょう。

ポートレートに、私は中感度、あるいは光量が充分であれば低感度のキュービックグレインフィルムを選ぶでしょう。より低感度のフィルムは通常、より高感度のフィルムよりも微粒子をもつからです。
ですから私はAdox Silvermaxフィルムを選ぶとしましょう。
そして現像液には、私はポートレートには微粒子を求めますから、お気入りの微粒子現像液SPUR HRXをチョイスするとします。
では今、この現像液のデーターシートを見てみましょう。
そこから、SilvermaxフィルムをSPUR HRXで現像するならば、ISO 50/18で撮影するのが望ましい、と知ることができます。
Silvermaxフィルムの公称感度はISO 100/21となってはいますが、私はカメラの露出をISO 50/18と設定して撮影します。

filmspeed Silvermax

あるいは、Adox CHS 100 II フィルムを選んだ場合、SPURは、公称感度ISO100/21での撮影を推奨していることがデータシートから確認できますので、このフィルムが提供している公称感度は、SPURのこの現像液を使用する場合には正確であるといえます。

filmspeed CHS

ですから私はISO 100/21で撮影します。

もうひとつ例をあげましょう。
私はよく、早朝の街中を撮影しに出かけます。太陽はまだ低く、光はそれほど多くありません。
ですから、私は高感度(スピードの速い)フィルムを使用します。おそらくISO400/27です。
しかし、微粒子現像液は高感度にはそれほど向いていません。
それならば私はSPUR SLD現像液を選ぶでしょう。この現像液は公称感度(多くのフィルムでそれ以上)に達してくれます。
また、私が非常によいアキュータンスとシャープネスを自分のネガに求めていて、それほど微粒子にこだわらないのであれば、コンパードR09/アド ナル/ロジナールを使用するでしょう。

大切なポイントは、常に自分がネガをどのようにしたいのか、そしてそれゆえプリントはどのように見せたいのかを撮影を始める前に、私は知っておく必要があるということです。

そして、フィルムと現像液の組み合わせは(そしてそれゆえライトメーターの設定)は、ネガの出来に本当に大きな影響を及ぼすので、撮影を始める前に、フィルムと現像液の組み合わせを決めておくべきなのです。

自分が使用した各フィルムと現像液のデータを覚えておくため、私は常にカメラバッグの中に、推奨ライトメーター設定値を書きとめたノートを持って います。

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