● センシトメトリ(*)は暗室で重要なのだろうか?
-濃度計(**)が私たちの現像ライフにもたらすものとは-
(*)センシトメトリ:写真感光材料の感光特性値(写真感度、感色性、諧調度、ガンマなど)を測定すること。
(**)濃度計:日本では一般に濃度計と呼ばれていますが、厳密には密度計のほうが語訳から正しいと思われますため、時折密度計の表記を使用する場合があります。
私たちが独ハイランド社の濃度計を販売開始した後、それについていくつかの質問を受けましたが、すべて同じベースラインを持つもの-つまり、「センシトメトリは、趣味のユーザーにとって本当に必要なものでしょうか?」というものでした。
簡単にお答えするとすればこうです-それは必ずしも必要ではありません。多くのことは必要ないのです。ですが、私たちの撮影ライフや現像プロセスをより良く、より簡単に、より楽しくしてくれることは確かです。
たとえば、私が新しい現像液/フィルムの組合わせをテストしたい場合、ハイランドのデンシトメーター(濃度計)は、この現像液における本当のフィルム感度を見つけるのを助けてくれます。
測定した濃度値により、私は各ゾーンのフィルム濃度を示す濃度カーブを描くことができます。そしてこのカーブが、このフィルム/現像液の組合わせがどの撮影条件に向いているのかを理解するのに大変役立ってくれます。
また、私がフィルムを減増感するときに、どのように反応するかを理解するのに役立ちます。
濃度計を持つ前、私は、そんなものは決して必要ではないし、純粋にぜいたく品であると考えていました。
しかし私は、ドイツの写真家や暗室で働く人たちの多くが、驚くほど濃度計を利用していることを知りました。
また、専門家だけでなく、多くの愛好家も濃度計を使用していることを知りました。
そんな折、濃度計を借りる機会が私に訪れ、試すことで私はそれがいかに必要なものであるかを確信したのです。
そして自分用の一台を持つに至りました。
5年間、私はHeiland TRD Z濃度計を使用し、フィルムと現像液に関する非常に多くの事柄をそこから学びました。
私は以前よりも良い結果を早く得られるようになりました。。濃度計は私に時間とお金を節約してくれます。
前述したように、こうして今、私はそれぞれ異なる現像液における異なるフィルムを、正確にテストすることができます。
今、私はそれぞれ異なる印画紙や現像液に基づいた、シャドウ、ハイライトあるいは中間トーンに基づく私の引伸ばし用の較正表を作ることができます。
私はプリントを完璧なシャドウとハイライトに最適化することができます.
ひとたび濃度計で自分の材料をテストしてしまえば、暗室での多くの時間と材料を節約することができるようになります。
それによって私は、良好なネガの現像、出来の良いプリント制作に集中するための時間をより多く得られうようになりました。
濃度計は、我らが愛するアナログ材料の技術的な特徴を完全に理解するのに役立つツールです。
製品ページ : ハイランド 濃度(密度)計
【濃度グラフの読み方】
フィルムの濃度グラフは、特定の現像液におけるそのフィルムの特性に関する貴重な情報を、私達に与えてくれます。グラフから私達は、適切なフィルム感度、現像時間が正しいかどうか、コントラストが強いのか弱いのかを知ることができます。 私達はこれが分かると、光の状況によって、どのフィルムと現像液の組み合わせが最良であるかを知ることができます。
グラフは、それぞれのゾーンにおけるフィルムと現像液の組み合わせが、どのような濃度を持つのかを示しています。
グラフにはより低いゾーンに足、より高いゾーンとその間に肩があり、直線またはs字曲線になります。重要な値はフィルムのβおよびγ値です。βとγは、異なるポジションにおけるグラフの勾配です。それらはゾーンⅠ~Ⅴと、ゾーンⅠ~VIIIの、 βとγそれぞれのフィルム全体のコントラストを私達に示しています。勾配が急である場合、すなわち、ひとつのゾーンから次のゾーンへの濃度の開きが大きい場合、コントラストが強いことを意味しています。
N現像(通常コントラスト)には、通常、γは勾配0.6、βはその少し下です。数値が高くなるとフィルムのコントラストは強くなります。
下の画像は標準的なDIN-ISOグラフ (DIN ISO 6:1996-02)を示しています。私達のオンラインショップにある全てのデータは、この標準グラフと比較することができます。
βおよびγ値の計算
β値 (ゾーン5の濃度値 - ゾーン1の濃度値) / ((5-1) × lg(2))
β例: (0.65-0.1) / ((5-1) × 0.3) = 0.46
[lg(2)=0.3]
γ値 (ゾーン8の濃度値 - ゾーン1の濃度値) / ((8-1) * lg(2))
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